| 研究課題/領域番号 |
17K03556
|
|---|
| 研究機関 | 駒澤大学 |
|---|
研究代表者 |
山崎 望 駒澤大学, 法学部, 教授 (90459016)
|
|---|
| 研究分担者 |
山本 圭 立命館大学, 法学部, 准教授 (90720798)
高橋 良輔 青山学院大学, 地球社会共生学部, 教授 (70457456) [辞退]
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
| キーワード | 代表制民主主義 / ポピュリズム / アンタゴニズム / 社会運動 / ステークホルダーデモクラシー / ポストデモクラシー / 民主化の逆行 |
|---|
| 研究実績の概要 |
現代世界における代表制民主主義の位相をたしかめるべく、政治理論や政治思想、比較政治学、政治史、社会運動論など多分野からのアプロ―チを行っている。
引き続き、「民主主義理論研究会」を開催し、代表制民主主義の歴史的起源が比較的新しいこと、また戦後日本政治学においては比較的近年まで代表制民主主義に対する評価は相対的なものであったことなどが明らかにされた。
とりわけ研究分担者である山本圭『現代民主主義』（中公新書）が公刊されたことで、代表制民主主義をとりまく位相について、歴史的な把握および現代思想の観点からの研究への道が開かれている。
また研究代表者の山崎と分担者の高橋良輔による『時政学への挑戦』（ミネルヴァ書房）の公刊を通じて、民主主義論に「時間論的転回」の成果を導入する方法の検討も進められた。
これらに加えて、専門知を持つ研究者を研究会へ招聘して議論を深めることで、ポピュリズムをめぐる経験的研究を掘り下げた歴史的な射程を持つ研究や、社会運動内部における権力関係を代表の観点から精査する研究、アメリカを念頭に置いたアイデンティティ政治の分極化への対応など、本研究が目指す「ポスト代表制の民主主義のコンステレーション」を描き出すことへ歩みを進めている。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究会での報告および議論を通じて順調に研究を進めてきたが、現在、二つの要因から研究の遅れを強いられている状況にある。一つは世界的なコロナパンデミックにより当初予定されていた海外での調査や資料収集に大きいな制約が課されたことである。もう一つは研究分担者であった高橋良輔氏の逝去である。ガバナンス研究や熟議民主主義論研究の第一人者の喪失は、予期せざる研究上の喪失を産み出し研究の遅延をもたらしている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
今後も予想されるコロナ禍への対応として、オンライン化による対応を強化し、また他の研究グループとの連携強化などを通じて、研究目的遂行のための対応を取っている。研究会の集中的な開催と議論を重ね、年末には研究成果を取りまとめ、年度末に向けた書籍の公刊の準備を進めていく。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による海外渡航の断念と、研究分担者の逝去に伴い、研究計画の遅延を余儀なくされ、当該助成金が生じることになった。使用計画についてはオンライン研究会の開催と学会報告、研究成果をまとめた本の公刊に向け、書籍購入や専門知の提供への謝金などを中心とした計画を立てている。
|
