研究課題/領域番号 |
17K03560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
信夫 隆司 日本大学, 法学部, 教授 (00196411)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 小笠原返還 / 核持ち込み / 事前協議 / 刑事裁判権 / 日米密約 / 行政協定第17条 |
研究成果の概要 |
本研究の成果はふたつある。ひとつは、小笠原返還における核持ち込み密約の問題を解明したことである。小笠原返還時、日米間に核持ち込み密約は存在しなかった。しかし、三木外務大臣は、アメリカ側が核持ち込みの事前協議を要請した場合、それに応ずることを明らかにしていた。もうひとつは、米兵が日本で罪を犯した場合、日本側は実質的に重要な事件を除き、裁判権を行使しないとする密約を交わしていたことを解明した点である。津田實法務省総務課長の一方的陳述は、実際には、密約であった。これが、米兵の起訴率が10%程度にとどまっている大きな原因である。
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自由記述の分野 |
日米外交
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2010年、外務省による密約調査で、安保改定時の核持ち込み等の問題の検証がおこなわれた。しかし、密約の存否が問われるのはこの四つの問題に限られない。本研究では、まず、1968年の小笠原返還時に、返還後の小笠原に核を持ち込む密約が存在するのではないかという問題に取り組んだ。これまでは、この密約の存在を肯定する説が多かった。しかし、密約は存在しなかったことを論証した。つぎに、刑事裁判権密約の存在の解明に力点を置いた。この密約を学術的に解明しただけでなく、日本政府が実質的に重要な事件を除き、米兵に対する裁判権を放棄していることの問題点を明らかにした。これにより、さらなる日米密約が解明された。
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