「包括政党」(キャッチ・オール・パーティ)の概念で知られる政治学者オットー・キルヒハイマーの政治思想を、多角的に検討した。成果は以下の4点である。 1)キルヒハイマーは亡命中のアメリカで「戦略情報局」」(OSS)に勤務し、ノイマンとマルクーゼらとともに「ナチ・ドイツ秘密レポート」を執筆した。私はこのレポートを翻訳し、彼らの戦後構想を明らかにした。2)カール・シュミットの影響という観点から、私は「包括政党」テーゼの成立過程を明らかにした。3) 包括政党とテクノクラシーの関係を考察し、『忖度と官僚制の政治学』を執筆した。4)この視点から、ウェーバーの官僚制論を再検討した。
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