研究課題/領域番号 |
17K03574
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
間 寧 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター中東研究グループ, 研究グループ長 (70401429)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 一党優位制 / 経済業績投票 / 大統領制 / トルコ |
研究実績の概要 |
一党優位制の典型のトルコを事例として、世論調査データを用いて、(1)長期的および短期的な経済業績、汚職認識、社会的亀裂が政権支持に影響を与えているのか、(2)一党優位制の定着から衰退の過程においてこれらの変数の相対的な重要性はどのように変化するのか、を統計的に検証するという研究目的に従い、2017年度に続いて2018年度も、投票行動規定要因を焦点にした調査票を、先行研究調査をもとにして作成した。そしてその調査票にもとづく質問項目を含むデータセットが、トルコを代表する世論調査会社であるMetropoll社が毎月実施する世論調査の一環として作成された。同社は、2018年7月第1週にトルコのNUTS2(欧州統計局が定めた地域統計区分単位[全3階層]の第2階層)の全26地域を代表する28県(全県数は81)で層化抽出法と重み付け補正を用いて1999名と対面世論調査を実施した。これは、トルコの大統領制移行後の最初の大統領・国会同日選挙が予定より1年半繰り上がり6月24日に実施された直後に当たる。 このデータセットを用いて、大統領選挙・国会選挙での投票先、各種政策評価、各種経済業績評価、政治的帰属意識、宗教・宗派属性、民族的属性などの設問を設けて、投票行動を規定する要因を分析した。特に、有権者が与党への支持を決める上での、各種政策評価、各種経済業績評価、政治的帰属意識、宗教・宗派属性、民族的属性の重要性の違いを検証した。また8月に実施したアンカラとイスタンブルでの現地調査では、(1)国内で発表された投票行動と政党制度に関する研究の収集、(2)世論調査会社や大学、研究機関で実施された調査データの発掘、(3)7月以降の通貨危機の経済及び政治的影響に関する最新の情報収集、(4)および専門家との意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年度目に予定していた世論調査と予備的分析を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
第3年度も、前年同様に世論調査とその分析を行う。大統領制移行後の最初の大統領・国会同日選挙の分析を完了し、国際比較へ移行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前倒し請求額が実際に追加的に必要となった金額よりも多かったため。次年度のデータベース購入申請に充てる。
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