本研究では、地域研究として、ロシア・チェチェン関係の分析とチェチェン共和国における政治情勢や法執行機関の状況、司法制度の機能などを検討した。そして、本研究の課題である国際政治の司法化の一事例として、チェチェン紛争に関係する欧州人権裁判所の判決を検討し、ロシアにおける人権状況の把握、戦争被害者に関する欧州人権裁判所の対応などを明らかにした。 他方、国際関係論の理論研究として、国際レジーム論を検討し、比較的長期にわたってあるレジームが変化・拡大し、複合化する過程について考察した。事例として、欧州評議会の創設から1990年代のロシア・東欧諸国の加盟の時期までを対象にレジームが複合化する過程を検討した。
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