研究課題/領域番号 |
17K03581
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
池上 雅子 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80248335)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 核不拡散 / 核セキュリティ / 核物質管理 / エネルギー / 原子力 |
研究実績の概要 |
1) ウプサラ大学の計量経済学者Dr. Z. Wangと2本の論文を共同執筆: 1本学術誌掲載、1本投稿中、また新エネルギーの発見に発展しうる重鎮核物理学者Dr. H. Ikegami の英文論文集を編集・出版。 2) INMMJ, ESARDA, OECDなどの国際会議査読付き学会論文集に、指導院生との共著も含め8本の学会報告と学会報告論集掲載: 41st European Safeguards Research & Development (ESARDA) annual symposium (5/14-16, Stresa, Italy) Regional Safeguards Systems Session 及び、9th INMM-ESARDA Joint Symposium(東京10/4-7)の分科会で査読付き報告・論文集所収。 3) 米国、仏、独、スウェーデン、日本の10年間の原子力関連政府文書を収集、核セキュリティに関するテキスト分析を、第40 回日本核物質管理学会年次大会 (11/19-20)の核不拡散・核セキュリティ分科会で報告 、同大会の政策セッションで座長。 4) 協力教員を務める原子核工学コースの原子力規制庁人材育成ANSETプログラムでIAEAからの専門家を迎えての「核セキュリティスクール」(11/25-27)及びJAEA主催「原子力平和利用と核不拡散・核セキュリティに係る国際フォーラム」(12/4)参加。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度は核不拡散・核セキュリティに関する多くの国際会議(イタリア開催のESARDAシンポジウム以外は全て東京開催)に参加、博士課程院生との共著も含めると核不拡散関連テーマで8本の会議報告と学会報告論集所収論文を執筆、国際ジャーナル投稿論文も1本掲載、1本投稿中と、論文業績では多くの成果を収めた。 しかし、海外研究機関訪問に関しては、ウプサラ大学での資料収集、論文作成以外では、欧州原子力共同体(EURATOM) 関連のESARDA開催の国際会議(イタリア、東京開催)で学会重鎮の政府役職者にインタビューするにとどまった。2020年度には、フランス、ドイツの関連研究機関を訪問し、核セ キュリティに関するインタビューを是非とも行いたいが、昨今の新型コロナ・パンデミックに伴う旅行規制で、その実現性は不透明である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、スウェーデン、ウプサラで計量経済学者Dr. Z. Wangとの共著でエネルギー分析に関する学術論文2本作成、重鎮核物理学者の最新英語論文の編集・出版、多くの国際学会での報告と査読付き論文集掲載など多くの成果を挙げたが、いまだにフランス、ドイツの関連研究機関での役職者への核セ キュリティに関するインタビューが実現していない。2020年度中には是非実行したいが、昨今の新型コロナ・パンデミックに伴う旅行規制で、その実現性は不透明である。 また、これまでエネルギー分析などを専ら行ってきたが、最終年度の2020年度は、核と安全保障に関する論文の作成し、これまでの研究成果の集大成をしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本プロジェクトで予定していたドイツ、フランスの原子力・核セキュリティ政策関連機関でのインタビュー調査が、ストライキやテロなど現地の治安情勢悪化などから行えなかった一方、既に長年の学術交流拠点となっているスウェーデン、ウプサラ大学への旅費は最小額で済んだ為。また、データ収集・分析や英語チェックなどを行なった研究協力者のDr. Z. Wang (Uppsala)への謝金の殆どは、池上の大学法人運営費から賄った為、人件費が大きく節約された。
2020年度中に、まだ実現していないフランス、ドイツの関連研究機関での役職者への核セ キュリティに関するインタビューを是非実行したいが、昨今の新型コロナ・パンデミックに伴う旅行規制で、やや懸念される。予算残額も少ないので、ZoomやSkypeを使ったインタビューになる可能性が大きい。また、これまでエネルギー分析などを専ら行ってきたが、最終年度の2020年度は、核と安全保障に関する論文の作成し、これまでの研究成果の集大成をしたい。
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