研究課題/領域番号 |
17K03581
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
池上 雅子 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80248335)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 核不拡散 / 核セキュリティ / 原子力政策 / 核物質管理 / 安全保障 / 危機管理 / エネルギー安全保障 / 核抑止 |
研究実績の概要 |
2020年度は、コロナ禍の影響で、予定していたドイツ、フランスなどへの調査旅行ができず、前半に出張したスウェーデン、ウプサラ大学で共同研究者との論文執筆や、ウプサラ大学の共同研究者と共に研究成果を出版する共編著の企画書を作成してSpringerとの契約を締結した。 また、スウェーデン滞在中、英国の著名な国際戦力問題研究所(International Institute for Strategic Studies) からアジアのミサイル拡散問題に関する論文執筆の依頼と国際会議(2020年9月)での発表報告を、更に先端技術移転問題と軍備管理に関するドイツ外務省主催の国際会議にも討議者として招聘された(何れも遠隔)。これら国際会議のテーマは、本プロジェクトの中でも、核兵器・核不拡散問題を含む内容で、非常に有意義だった。 12月には、MITのScience, Technology & Society Program のRADIUS seminarでも講演、同じくミサイル拡散や核問題に関する論考を、元米国議会の防衛技術主任分析官Subrata Ghoshroy氏が編集する共著本の為に執筆した。 更に、ウプサラ大学の長年の共同研究者との下記共著論文が2021年2月に掲載された。 Masako Ikegami & Zijian Wang (2021) Does energy aid reduce CO2 emission intensities in developing countries?, Journal of Environmental Economics and Policy, DOI: 10.1080/21606544.2021.1882342 2020年度はコロナ禍に翻弄された年だったが、多くのハイプロフィールの国際会議に経済的物理的負担もなく参加・招聘され、活発に研究討論や交流、共著論文の執筆などが行え、大変有意義だった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の渡航制限の為、当初計画していたドイツ、フランスなど、スウェーデン以外の研究機関への実地訪問ができないままになっている。コロナ禍が長引いている為、最終年度の2021年は、現地調査は諦め、遠隔によるインタビューに切り替える必要があろう。他方、最終年度は、これまで発表した学会報告や雑誌論文などをまとめて書物化する重要な仕事があるので、遠隔によるインタビューは時間と経費の効率化に繋がると期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、これまでの研究成果をウプサラ大学共同研究者との共編著本(Springer)にまとめることを最優先にし、ドイツやフランスの実地調査は、遠隔によるインタビューに切り替えて補完する。最終年度は、これまで発表した学会報告や雑誌論文などをまとめて書物化する重要な仕事があるので、遠隔によるインタビューは時間と経費の効率化に繋がると期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の為、共同研究先拠点のスウェーデン、ウプサラ大学への一度の渡航の航空券代の一部を支出したにとどまった。研究協力者(編集・データ収集と解析)への謝金約60万円は、プロジェクト最終年度の旅費や出版経費を確保する為に、科研費でなく東京工業大学の法人運営費から支出した。
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