研究課題/領域番号 |
17K03587
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
島田 剛 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (90745572)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | カイゼン / 産業政策 / 生産性 / 対日援助 / 労働組合 / 民間セクター開発 |
研究実績の概要 |
本研究が目的とするところは、日本が被援助国であった時にどのようにアメリカの生産性向上支援を受容していたかを検証し、被援助国としての経験がどのよう なものであったのか導き出すことである。 これまでの研究をもとに「戦後アメリカの生産性向上・対日援助における 日本の被援助国としての経験は何か ― 民主化・労働運動支援・アジアへの展開」(JICA研究所「日本の開発協力の歴史バックグラウンド・ペーパー 」No.2 )を執筆。このバックグラウンド・ペーパーをもとに論文「生産性向上のアメリカ対日援助の戦略と労働組合、アジアへの展開 ― 被援助国としての日本の経験」(「国際開発研究」、27号第2巻、p 69-84)を執筆。 この論文の中で次の3点が明らかにした。①アメリカの対日援助が冷戦構造の中で極めて戦略的であった、②日本側において援助の受け入れの中心的な役割を担ったのが政府ではなく経済同友会であった、③労使関係がこの援助の後、戦闘的なものから建設的なものに変化し「日本型労使関係」と呼ばれるものが出来上がっていった。 また、この論文を中心に「国際開発研究」において特集号「国際開発におけるカイゼン研究の到達点と今後の課題」の責任編集を行った。また、同特集の巻頭論文「国際開発におけるカイゼン研究の到達点と今後の課題 ― 学際的アプローチからの政策的インプリケーションの検討」を執筆した。 また、さらに本特集号の発刊を記念したセミナーを企画、国際開発学会とJICA研究所の共催によりJICA研究所の国際会議場においてセミナーを実施、約150名の参加を得て活発な議論が行われた。セミナーの報告を国際開発学会およびJICA研究所のHPに掲載するなどし研究成果についてのフィードバックを行うとともに、外務省やJICAとも内容について議論を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところほぼ計画した通りに研究が進捗しており、論文の発表やセミナーの実施もできているため。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、執筆中の英文書籍とジャーナル論文について今後、出版を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
前年度に海外出張を取りやめた残額があったため。今年度、使用予定。
|