研究課題/領域番号 |
17K03589
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
湯浅 剛 広島市立大学, 付置研究所, 教授 (80758748)
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研究分担者 |
安達 祐子 上智大学, 外国語学部, 教授 (90449083)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エネルギー安全保障 / ユーラシア / 原子力開発 / 核不拡散 / 国際秩序 |
研究実績の概要 |
本研究は、中国・ロシア・インドなどのユーラシアの主要国や、日本を含めた関係諸国の原子力エネルギーの供給・開発に関する政策が、冷戦後のユーラシアの国際秩序にいかなる影響を与えたかを考察するものであり、初年度である平成29年度は、主要先行研究の渉猟・確認を進めるとともに、代表者および分担者はそれぞれの所掌に従い、海外での調査や研究発表など、個別に研究活動を実施した。 湯浅(研究代表者)は主として国内での調査研究を行うとともに、7月に刊行された『ロシア革命とソ連の世紀3 冷戦と平和共存』(岩波書店)において、本研究に係る論考「ポスト・ソ連空間と周辺世界:冷戦終結から国際テロの時代の中で」を発表した。また、10月29日には日本国際政治学会2017年度研究大会(於・神戸国際会議場)の部会14「ユーラシアのエネルギー安全保障」において、本件に係る研究報告「ユーラシア国際関係におけるエネルギー・ファクター」を発表した。 また、安達(研究分担者)は、国外出張を実施し、2つの国際学会において研究発表を実施した(Association for Slavic, East European, and Eurasian StudiesおよびSecond World Congress of Comparative Economics)。また、研究成果としては、海外で刊行された辞典の項目執筆を担当した。 以上の通り、研究代表者・分担者ともに調査研究を進めるとともに、暫定的ではあるが一定の研究成果発表をおなうことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の平成29年度の研究実施計画では、従来の原子力エネルギーと国際政治の研究の成果と課題を確認・抽出するためのシンポジウム形式の会合開催の準備を進め、可能であれば第3四半期ないし第4四半期(2017年10月~18年3月)に開催するとの方針を持っていた。しかし、主として研究代表者の勤務先において想定以上に学務過多となった(とりわけ18年3月に勤務先主催で別件のシンポジウム「アジアの核・ガヴァナンス・平和」〔於・広島国際会議場〕が実施され、研究代表者の湯浅は当該会合にて研究報告だけでなくシンポジウムの企画の総合調整を行った)ため、当該会合を実現することができなかった。また、本件に係る国外での調査研究についても、当初予定通り実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度も、引き続き公開情報に基づく分析をすすめるほか、研究代表者および分担者はそれぞれ担当するフィールドワーク(ロシアおよびカザフスタンを想定)を実施する。 前述のように、シンポジウム形式の会合を実施することができなかったため、既に2019年1月に東京で実施する方向で調整を進めている。また、平成30年度では国外にてセミナー形式の研究会を実施することも当初計画していたが、これについては上記東京でのシンポジウム実施後に、適宜実現の可能性を追求していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、研究実施計画上、平成29年度に開催可能性のあった国内でのシンポジウム形式の会合を諸般の事情で開催しなかった。また、一部の国外出張についても実施することが適わなかった。以上が、次年度使用額が生じた主たる理由である。 平成30年度においては、1月19日(土)に東京・上智大学において本件科研プロジェクトを共催とするシンポジウムを実施する予定であり、現在、研究代表者・分担者以外のパネリストの人選にあたっている。また、研究代表者・分担者ともに、当該研究プロジェクトに関する国外出張を実施する予定である。
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