• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

二〇世紀最初期における、欧州統合を用意した世界認識・国際秩序観・世界連邦論の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K03593
研究機関明治大学

研究代表者

川嶋 周一  明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (00409492)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードヨーロッパ統合 / 国際主義 / 連邦主義 / 20世紀 / 機能主義 / EU
研究実績の概要

本研究は、欧州統合史研究と国際関係史研究を接合し、20 世紀前半における欧州統合認識の形成と変容を、世界認識との関わりから再検討するものである。
具体的には、ベルギーの書誌学者・平和活動家のポール・オトレ、機能主義者、連邦主義者の国際秩序観ならびに欧州統合観を取り上げ、その思想の展開に影響を与えた国際状況の相互関係に焦点を当てることで、欧州統合を20 世紀史の中に位置付けることを最終的な目標とする。
2020年度は、本来はフランスの連邦主義者およびアレクサンドル・コジェーブ文書を引き続き収集し、1940年代から50年代にかけての世界認識と連邦主義、そしてヨーロッパ統合の知的連関を検討する予定だった。しかるに、2020年2月末から起こった新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、これらの資料収集の予定はすべて中止となった。
他方で、現在を含むヨーロッパ統合の歴史的政治的問題構造を捉えなおす作業を進め、それらの成果は共著『EU政治論』(有斐閣)として結実した。具体的には、①ヨーロッパ統合の成立史を古代からさかのぼり、ヨーロッパが一体的な世界であるという認識がどのように生まれ、それが様々な形態で繰り返し論じられたこと、②ヨーロッパ統合の現在の問題は国内社会の一体性を追求する社会統合と国家間の政策を共有する国際統合の二重の統合が有機的に連結し、ポピュリズム的な政治主張の高まりの中でヨーロッパ統合が政治的な対立軸となっていることを論じた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究実績概要欄にも記載したように、2020年2月末から日本のみならず世界中を席巻した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、日本と研究対象となる西欧各国との往来が不可能となり、また緊急事態宣言の発令に伴う日常生活そのものへの制約により、研究活動への従事そのものが極めて困難となった。勤務大学での教育業務が遠隔となったが、これも従来の数倍の作業量を要求するもので、想定していた研究時間を確保できなくなった。これらの理由から、研究の進捗は遺憾ながら遅れていると言わざるを得ず、忸怩たる思いである。

今後の研究の推進方策

本来想定していた史料収集は実施できないため、これまで実施した史料収集で集めた史料を精査し、連邦主義と機能主義の相克がどのようにヨーロッパ統合との関連で生じていたのかを研究する。

次年度使用額が生じた理由

2020年2月末以降に日本および世界全体における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、予定していた史料収集が不可能となったことに加え、COVID-19の感染蔓延に伴う緊急事態宣言の発令および大学教育業務の遠隔化に伴う業務量の莫大な増加によって、研究時間を確保できず、予定していた研究を遂行できなかったため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] ルクセンブルクの妥協2020

    • 著者名/発表者名
      川嶋周一
    • 雑誌名

      よく分かるEU政治

      巻: - ページ: 8-9

  • [雑誌論文] 第一章 ヨーロッパとは何か2020

    • 著者名/発表者名
      川嶋周一
    • 雑誌名

      EU政治論:国境を越えた統治のゆくえ

      巻: - ページ: 14-60

  • [雑誌論文] 第5章 EUの機構2020

    • 著者名/発表者名
      川嶋周一
    • 雑誌名

      EU政治論:国境を越えた統治のゆくえ

      巻: - ページ: 107-128

  • [雑誌論文] 第12章 デモクラシーと正統性2020

    • 著者名/発表者名
      川嶋周一
    • 雑誌名

      EU政治論:国境を越えた統治のゆくえ

      巻: - ページ: 268-291

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi