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2017 年度 実施状況報告書

安全保障アクターとしてのEUと日本:リベラル国際秩序における日欧政治関係

研究課題

研究課題/領域番号 17K03600
研究機関早稲田大学

研究代表者

中村 英俊  早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (80316166)

研究分担者 BACON Paul.M.  早稲田大学, 国際学術院, 教授 (40350706)
吉沢 晃  早稲田大学, 地域・地域間研究機構, 次席研究員(研究院講師) (90743857)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード日欧政治関係 / 安全保障アクター / 国際統合理論 / リベラル国際秩序 / EU / ヨーロッパ統合 / Brexit
研究実績の概要

本研究課題をめぐり、早稲田大学とブリュッセル自由大学(ULB)との間の国際共同研究を着実に拡充することができた。3月12日にULBで開催した日EUフォーラムでは、研究代表者と研究分担者の全てが研究報告をすることが叶った。理論研究、人権外交、競争政策などの観点から有意義な中間報告の場が得られた。また、オックスフォード大学やキングスカレッジ・ロンドンの研究協力者との共同研究も一定の進展を見ることができた。
このような国際共同研究の成果の一つとして、アメリカや中国という大国の背後で日EU関係が有する意義を探る共編著の中で執筆した共同論文は、EUとの比較から日本の国際アクターとしての特質を描いたもので2018年夏に公刊予定である。この論文は、リベラル国際秩序の中でEUとともに日本がどのように振る舞ってきたかを論じようとしたものである。
本年度は、イギリスのEU離脱(Brexit)をめぐる公式交渉の1年目とほぼ一致しており、同交渉に関する情報収集も重要な研究調査の対象となった。日本とEUとの二者間関係はEPAとSPAの公式交渉が終わり署名へ向かおうとしている。日本とイギリスの二国間関係も首脳会議によって深まったと言われる。本研究の文脈で、このような現状の考察も試みることができた。政治外交および経済貿易の両分野でリベラル秩序が流動化する状況下で、「安全保障アクター」概念を独自に定義し、EUと日本という国際アクターの行動を正確に描写し、両者の政治関係が持つ意義を深く考察している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3月中旬にブリュッセルで日EUフォーラムを無事に開催することはできたが、「安全保障アクター」概念の暫定的定義を試みるペーパーに海外の研究協力者からコメントをもらう計画は次年度に持ち越すことになった。
特にブリュッセル、ロンドン、オックスフォードの研究協力者との共同研究が一定の進展をみた。その拡充を図っていたところ、研究代表者が「流動化するグローバルなリベラル秩序におけるEUと日本:地域間研究の拠点形成」を研究交流課題名にコーディネーターとして申請した研究拠点形成事業(A.先端拠点形成型)が採用されたことは大きな意義を持つ。その参加研究者には、本研究の研究分担者もすべて含まれている。

今後の研究の推進方策

研究分担者の一人が異動したので、同一所属研究機関内で共同研究を続けることはできなくなった。しかし、本研究の大枠は既に固まっており大きな問題はない。
上述のような研究拠点形成事業に採択されたので、より大きな国際共同研究の枠内で、本研究も展開できる。ただし、同事業は海外からの研究者を日本に招聘するための費用を出すことはできないので、その点も留意して本科研費を有効に使いたい。いずれにせよ、確実な相乗効果が期待できる状況が整っている。

次年度使用額が生じた理由

年度末にイギリスから招聘予定だった研究協力者の来日が、同氏の都合(大学の役職者として多忙のため)延期になったことが主たる理由である。本研究テーマの鍵となる「安全保障アクター」概念に関するペーパーに対してシッカリとコメントしてもらうべく、改めて招聘計画を立てる。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] ブリュッセル自由大学(ULB)/ルーヴァン・カトリック大学(KUL)(ベルギー)

    • 国名
      ベルギー
    • 外国機関名
      ブリュッセル自由大学(ULB)/ルーヴァン・カトリック大学(KUL)
  • [国際共同研究] ベルリン自由大学(FUB)(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ベルリン自由大学(FUB)
  • [国際共同研究] オックスフォード大学/キングズカレッジ・ロンドン/ウォーリック大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      オックスフォード大学/キングズカレッジ・ロンドン/ウォーリック大学
  • [国際共同研究] カンタベリー大学(ニュージーランド)

    • 国名
      ニュージーランド
    • 外国機関名
      カンタベリー大学
  • [雑誌論文] WTOにおける競争法制定失敗の政治過程:EUの役割を中心に2018

    • 著者名/発表者名
      吉沢晃
    • 雑誌名

      ワセダアジアレビュー

      巻: 20 ページ: 71~76

  • [雑誌論文] NATO Global Perceptions ? Views from the Asia-Pacific Region2017

    • 著者名/発表者名
      Chaban Natalia、Bacon Paul、Burton Joe、Vernygora Vlad
    • 雑誌名

      Asian Security

      巻: 14 ページ: 1~7

    • DOI

      10.1080/14799855.2017.1361726

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] NATO-Japan Relations: Projecting Strategic Narratives of “Natural Partnership” and Cooperative Security2017

    • 著者名/発表者名
      Bacon Paul、Burton Joe
    • 雑誌名

      Asian Security

      巻: 14 ページ: 38~50

    • DOI

      10.1080/14799855.2017.1361730

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] The EU and Japan in a Fluid Global Liberal Order: Inter-Regional Studies Perspectives2018

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Hidetoshi
    • 学会等名
      EU-Japan Forum
  • [学会発表] The Legitimacy Problem in EU Competition Policy2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshizawa Hikaru
    • 学会等名
      EU-Japan Forum
  • [学会発表] The EU and Human Rights promotion in the Asia-Pacific: a new approach to the study of norm diffusion2017

    • 著者名/発表者名
      Bacon Paul
    • 学会等名
      EUSAAP Annual Conference
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-22  

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