研究課題/領域番号 |
17K03601
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際関係論
|
研究機関 | 東洋英和女学院大学 |
研究代表者 |
小久保 康之 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (60221959)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | EFTA / EU / ノルウェー / アイスランド / スイス / リヒテンシュタイン / 小国 / EEA |
研究成果の概要 |
EFTA加盟の小国4カ国が、巨大な政体となったEUに加盟せずに、その独立と国益をどのように維持しようとしているのかを明らかにすることができた。EEA(欧州経済領域)に参加しているノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインは、EUの政策決定過程に直接的・間接的に関わるルートを確保し、自らの国益に不利な法律の成立を事前に阻止することで、一見EUの法律に束縛されているように見えても、水面下でEUからの強制的な支配を回避している。また、EEA非参加のスイスは、EUとの様々なバイラテラル協定を結ぶことで、国家としての独自性を保つべく努力している。EU周辺の小国の巧みな外交力が明らかになった。
|
自由記述の分野 |
国際政治学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでEU周辺諸国は、EUが定める法律を受動的に順守させられることを回避するために積極的にEU加盟を目指してきたが、本研究により、EUが周辺諸国との良好な関係を維持するための枠組みとして提案したEEA(欧州経済領域)制度に基づき、周辺小国は巧みに直接EUの政策形成過程に関わることで、自らの国益を守りつつ、EU市場への参入を可能にして経済的発展を維持していることが明らかになった。EFTA諸国が、国家としての対面を保ちつつ、EU統合と共に歩む戦略は、ヨーロッパ地域で主権国家体制が変容しようとしている歴史的な過渡期にあって、EU加盟反対の国内世論と国益維持の板挟みになっている小国の知恵とも言える。
|