本研究で2021年度(令和3年度)は、令和2年度同様、国際学会において研究発表を予定していた。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大の状況により研究大会が延期となった。海外調査計画も中止となり、2次資料をもとにした研究が中心となった。主な研究実績は以下の通りである。 ①2021年2月出版の『ラテンアメリカ 地球規模課題の実践』において、「第9章 移行期正義の取り組みとグローバルな課題 過去とどう向き合い、将来を構築していくのか」(217-240頁)の執筆を担当し(単独)、2021年5月21日15時から、ラテンアメリカ協会主催のブックトーク「ラテンアメリカ 地球規模課題の実践:社会が投げかける諸問題への取り組み」に報告者として参加し、担当章の概要説明、その後、オンライン参加者と質疑応答となった。その後、参加者との間で、ラテンアメリカ諸国における移行期正義の取り組みの中での和解の位置づけの違い、カトリック教会の立場の違いなど有意義な意見交換ができ有意義であった。 ②2021年8月5日同志社大学ラテンアメリカ研究会において「冷戦期の米州機構・人権・平和:国際関係論の視点からの考察」と題する研究発表を行った(オンライン開催)。この発表では、冷戦期の米州機構米州人権委員会の活動に焦点をあて、1973年9月チリでのクーデタ直後の予備訪問、その後の人権侵害に関する調査と調査記録について考察した。 ③「米州人権レジームの形成とその変遷-米州人権機構の制度・役割と今後の課題について」と題する論文を執筆した(『世界の社会福祉年鑑:国際人権レジームと社会福祉』総ページ416のなかの109頁から122頁、旬報社、2021年)。 ④在日アルゼンチン大使館主催によるマルビナス戦争の歴史的背景に関する勉強会に参加し、軍事政権下でのマルビナス戦争と民主化後の記憶について考察した。
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