研究課題/領域番号 |
17K03602
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
杉山 知子 愛知学院大学, 総合政策学部, 教授 (90349324)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 移行期正義 / 記憶 / ラテンアメリカ / 人権 / 冷戦期 / アメリカ / 米州機構 / 国際人権規範 |
研究成果の概要 |
アルゼンチンやチリ、中米諸国をはじめとするラテンアメリカ諸国では、過去の軍政や内戦時の人権侵害に対し、真実や正義を求め、記憶する取り組みを行っており、時間の経過や民主主義の定着・政治状況の変化とともに、過去の人権侵害の状況が可視化されてきた。さらに、グローバルな趨勢として、戦争や内戦、権威主義体制下での人権侵害を経験した国家・社会は、負の歴史に向き合い、記憶を伝承することが重要であるとの規範も形成されてきた。ラテンアメリカの事例から、移行期正義の類型や取り組みは多様であり、国連、米州機構や国際NGOと現場人権NGOとの連携は、移行期正義の諸政策を促進・実施するうえで効果的であると考えられる。
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自由記述の分野 |
国際関係論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラテンアメリカ諸国における移行期正義は、民主化移行期・民主主義定着期における事例、内戦・紛争後の平和構築の事例、国内武力紛争後の事例に分類することができる。その取り組みは、恩赦法により正義が追及されない事例がある一方で、真実と正義の追及をし続け、記憶する事業、地域のエンパワメントを含めた統合型補償事業など様々である。今日、グローバルな規模で、移行期正義は、法の支配、平和構築、開発、先住民族や女性といった社会の少数派のエンパワメントと連携した取り組みが見られており、移行期正義の先行的な取り組みとしてのラテンアメリカ諸国に焦点を当てた研究は、学術的にも社会的にも意義あるものと思われる。
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