本研究の最終年度の活動として、次期研究プロジェクト(昨年度と別のもの)を射程に入れた研究実績を積みながら、本研究で得られた知見を学会や広く社会に対して報告すると同時に、一帯一路構想に関する英語での編著の刊行に向けた作業を行った。最終年度であるため、以下、研究発表の種類ごとに記載する。研究の具体的焦点の(A)中国政府の政策、(B)様々な中国アクター、(C)紛争地域の人々の中国認識は、以下の発表物において分析した。 1) 本研究の総まとめとして、研究課題全体の研究成果を以下の国際学会で報告し、同会での研究者らと意見交換を行った。シンガポールのRSISでは、中国の不介入主義の現状について報告、International Studies Association年会では、紛争地における中国観と国際安全保障秩序の関わりについて報告。特に後者は、次期研究プロジェクトの課題である、途上国における中国観と中国の国際秩序への影響とを考える上での素地となった。 2) 南スーダンにおける紛争仲介、平和維持、人道支援、ODA事業をめぐる、中国のアプローチと南スーダンにおける中国認識の著書の分担執筆をした(2022年3月現在、査読中)。 3) 中国の人道支援についての現状を検討するため、コロナ禍における中国の人道支援(医療外交)について調査した。研究発表は、日本国際フォーラム等を通してや広く社会に向けて実施、2022年3月現在、著書の分担執筆を継続中。コロナをめぐる医療外交における中国政府の政策と様々な中国アクターの関与、国際秩序への連関について議論した。 4) 一帯一路構想に関する編著(2021年2月刊行)の研究成果を、国内外のセミナーや出版物を通して広く周知した。 5) アフガニスタンにおける紛争仲介の現状を分析し、論文を出版した。
|