本研究では、紛争地域(紛争中や紛争後の地域)において、中国の様々なアクターがどのように行動し、それらは地域のアクターによってどのように認識されているかを分析した。従来、中国政府・企業の行動や中国政府の政策に焦点を当てた研究が多かったが、本研究では、中国政府の政策決定過程、中国アクターの多様性、紛争地域における中国認識に焦点を当て、事例国(ミャンマー・南スーダン・モルディブ)でのインタビュー等を通して包括的な検討を行なった。結果、現地の中国認識や中国が果たしうる役割を規定するのは、分散した中国の政策決定過程と、当該国の国内的文脈での中国アクターの位置付けによるものであることを明らかにした。
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