本研究の目的は、「保護者を伴わない子ども難民」の受入に関して、イギリスにおける庇護政策の運用及びその変容を明らかにすることだった。 近年、移民・庇護申請者を「脅威」とみなす「安全保障化」の研究が盛んである。一方で子ども難民に対しては、特別に保護を認める政策を導入する国が増えている。本研究が取りあげるイギリスについては、EU離脱後の庇護政策の詳細は今なお決まっていない。にもかかわらず子ども難民については特別に受入を続けることを言明している。本研究では次の2点に取り組んだ。第1が現在のイギリスの庇護政策につながる歴史的経緯、第2が国際的難民保護体制における「保護」の概念の変容の検討である。
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