本研究では経済格差に注目し、格差のある社会において経済政策、具体的には金融政策がどうあるべきか、理論的に考察した。マクロ経済学において金融政策の内容が利子率の値の設定の仕方として表現されることが多く、本研究においても利子率の設定の仕方について研究を行った。そして経済格差、具体的には資産の差がある社会においては、望ましい利子率の値が資産格差のない社会における値よりも高くなることを示した。これは、金融緩和政策が再分配効果を持ち、それが資産格差のある経済においてはより良い方向に働くということを示唆している。
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