研究実績の概要 |
対可解ゲームとは,ゼロ和ゲーム・純粋競争ゲームの本質を保持する自然な拡張でありながら,レント獲得ゲームやトーナメントゲームという応用上重要なゲームをも包摂するゲームである.対可解ゲームの理論と応用につき,以下の実績を得た. 1. 対可解ゲームの基本論文 "Two-person pairwise solvable games" (Population Research Institute Working paper No.2016-02, Nihon University)で,均衡の交換可能性,線型順序戦略集合下の均衡の特徴づけ,さらには有限ゲームにおける支配可解性が示された.これらの結果にさらなる彫琢を加え,国際学術雑誌に投稿した. 2. 対可解ゲームの応用論文 "Equilibria in games with weak payoff externalities"で,弱い外部性を持つゲームが対可解ゲームであることが示されるとともに,新たな均衡の存在定理が得られた.これらの結果にさらなる彫琢を加え,国際学術雑誌に投稿した.その後受理され,次のように掲載された: Iimura, T., Maruta, T. & Watanabe, T. Econ Theory Bull (2018). https://doi.org/10.1007/s40505-018-0157-4 3. 平成29年度に着想を得たあらたな主題,対可解ゲームにおける大域進化安定戦略についての研究を進めた.特に擬安定(pseudostable)ゲームと対可解ゲームとの間に密接な関連があることが次第に明らかになってきている.
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