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2023 年度 実績報告書

ケンブリッジにおける経済学の黎明──組織と人的ネットワークからの接近

研究課題

研究課題/領域番号 17K03649
研究機関関西学院大学

研究代表者

久保 真  関西学院大学, 経済学部, 教授 (30276399)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2024-03-31
キーワードケンブリッジ / 経済学 / 統計運動
研究実績の概要

2019年度(当該研究課題第3年度)以来コロナ禍の影響でヨーロッパでの資料調査や研究報告を行えていなかったが、2023年度は、2023年6月にリエージュで開催されたヨーロッパ経済学史学会(ESHET)の年次大会に参加し、古典派経済学に関するセッションの議長を務め、共通の問題関心をもつヨーロッパの研究者と意見交換を行った。さらに、2024年1月にはイギリスにて資料調査を行った。具体的には、ロンドンの大英図書館およびロンドン図書館、ケンブリッジの大学図書館において、本研究課題が対象とする時代のケンブリッジを拠点に活動した思想家たち──特に経済学教授のジョージ・プライムや数学教授のチャールズ・バベッジ──の書簡等一次資料の調査である。
以上のような学会参加や資料調査によって得られたものを、2019年度までの分析結果に統合するかたちで、論考を執筆しできるだけ早い時期に公刊できるよう努める。この論考には、本研究課題において明らかになった以下の事柄が主たるポイントとなる。すなわち、ケンブリッジ大学において経済学教授職が設置された1828年以降、大学内の経済学をめぐる方法的対立が、1833年にイギリス科学振興協会内に「クーデタ」的に統計部会が設立された背景となっており、その点でリチャード・ジョーンズの役割が強調されてきた。他方で、この統計部会設立に対してその知的威信によって後盾となったのが、アドルフ・ケトレであったが、その点で、ケトレと親交を結んでいたバベッジの役割が強調されてきた。しかるに、「組織」と「人的ネットワーク」という本研究課題の分析視角から書簡類を精査してみると、二つの動きの結節点にウィリアム・ヒューウェルの存在が浮かび上がるのであって、彼こそが、イギリス科学振興協会における統計部会設立に繋がる運動の中心人物であった。以上の事柄である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 経済学史入門2023

    • 著者名/発表者名
      中澤信彦・松本哲人・藤村哲史・久保 真・若松直幸・原谷直樹・佐々木憲介・石田教子・中井大介・上宮智之・廣瀬弘毅・江頭進・只腰親和
    • 総ページ数
      278
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      978-4-8122-2213-3

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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