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2019 年度 実施状況報告書

レジーム・スイッチングモデルの統計的推測理論の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K03653
研究機関東京大学

研究代表者

下津 克己  東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (50547510)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードレジーム・スイッチングモデル / 最尤推定量 / 漸近分布
研究実績の概要

本研究の目的は、レジーム・スイッチングモデルにおける統計的推測理論の発展である。レジーム・スイッチングモデルは、構造変化・非線形性・強従属性などの時系列の特徴をよく記述することができるため、経済学・ファイナンスの分野において非常に幅広く利用されている。
実際の応用においてレジーム・スイッチングモデルを推定する際には、レジームの数をデータから決定することが特に重要となる。しかしながら、レジーム・スイッチングモデルの尤度関数は特殊な構造を持つため、レジームの数に関する統計的推測が非常に困難であることが知られている。特に、各レジームにおける時系列の分布が正規分布に従う場合は、フィッシャー情報行列のランクがパラメーターの値に依存して変化するため、対数尤度関数の漸近分析は著しく困難であった。その結果、レジームの数に関する統計的推測の実用的な手法は未だに確立されていなかった。
本年度は、前年度に導出された尤度比検定統計量の漸近分布を用いて、尤度比検定によるレジームの数の決定法を提唱し、さらに、大規模なコンピューター・シミュレーションを行い、現実的なサンプルサイズの下で尤度比検定が実用性を持つことを確認した。また、現実のデータを用いて、尤度比検定がAkaike Information CriterionやBayes Information Criterionでは明らかにすることのできない知見を提供できることを確認した。研究成果は、ワーキング・ペーパーとして刊行された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の主要目的は、以下の2つである。(1)大規模なコンピューター・シミュレーションにより、現実的なサンプルサイズの下で尤度比検定が実用性を持つことを確認する。(2)現実のデータを用いて、尤度比検定がAkaike Information CriterionやBayes Information Criterionでは明らかにすることのできない知見を提供できることを確認する。本年度は、(1)(2)を完了した。

今後の研究の推進方策

今後は、レジーム・スイッチングモデルにおけるレジームの数に関する尤度比検定統計量について、さらなる実証研究への適用を行う。

次年度使用額が生じた理由

2019年度に、海外での学会で研究成果を発表することを予定していたが、研究代表者の体調不良のために実行できなかった。そのため、2020年度に海外での学会で研究成果を発表する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Identification of Regression Models with a Misclassified and Endogenous Binary Regressor2019

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Kasahara and Katsumi Shimotsu
    • 雑誌名

      arXiv:1904.11143 [econ.EM]

      巻: - ページ: 1-18

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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