研究実績の概要 |
昨年度までに構築した1億件に及ぶPatentデータと5000万件に及ぶ特許申請者情報をaggregateすることで構築された【類似技術企業検索システム】を用いた新たな技術分析手法を確立した。 従来の技術分析は、分析対象となる特定の企業候補を技術競合相手として集めた手動かつ主観的な競合分析が一般的である。企業におけるビジネスや技術の多様性が増す中、これのような手法では正確な技術競合相手を見つけ出すことは困難である。 本研究では、情報検索技術とpatentデータを融合することでSystematicかつScalableな技術競合分析と技術競争分析を行う方法論を提唱し、情報技術産業における大きな影響力を持つ、Big Fiveと呼ばれている- Google, Apple, Facebook, Amazon, and Microsoft -(以後GAFAM)の技術分析を行った。
【技術競合相手の分析】GAFAMが保持するすべてのpatentを技術分類の頻度で表したpatent portfolioをそれぞれ作成し、類似技術企業検索システムで最も技術的に類似する企業を検索することで、Systematicに技術競合相手をsearchし、どのような企業と技術競合をするかを分析した。 【技術競争の分析方法】技術競合度合いによってランキングされた検索結果を用いて、企業間の競争度合いを表す指標を作成することで新たな技術競争分析方法を確立した。本手法では、競合相手としてランキングが高いほど、強い競争が起きているとして、検索精度を評価するMean reciprocal Rankingを応用し、GAFAMがランキングする・されているランキングの逆数の平均を求めることで、技術競争の分析を行った。この結果、GAFAM間では、強い競争が起こっておらず、GAFAMの周りの企業との競争の方が強いことを発見した。
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