研究課題/領域番号 |
17K03665
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
西郷 浩 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00205626)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 外れ値 / 調査票の審査 / 頑健推定 |
研究実績の概要 |
研究目的、すなわち、統計調査における外れ値処理方法に関する理論的考察、およびその実証的検証のうち、理論的な考察を中心に研究を進めた。 研究を進めるための重要な情報源として、経済統計研究会を4回開催した。第1回研究会(2018年7月21日開催)では国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計を、第2回研究会(2018年10月13日)では総務省・経済産業省の経済センサス-活動調査を、第3回研究会(2018年12月18日)では財務省の本陣企業統計調査を、第4回研究会(2019年3月2日)では総務省の事業所母集団データベースを取り上げた。これらの調査における外れ値の影響は他の統計調査にも及ぶ。このため、これらの調査において外れ値がどのように処理されているかを確認することが本研究を進める上で必要である。 研究計画書に記したとおり、研究協力者とともにミクロデータによる研究も平成30年度から開始した。当初は、JGSSのミクロデータを題材とする予定であった。しかし、近隣の総務省統計局内のオンサイト施設において公的統計の目的外利用できる環境が整ったため、総務省の社会生活基本調査に研究の題材を切り替えた。この変更によって、研究の公的性は高められた。 独立行政法人統計センターの主催する統計技術研究会(2019年1月24日開催)に出席して、最近の外れ値処理に関する研究の動向について有用な参考文献のリストを得た。 現在、センシティブな質問に対する回答誤差を減少させる方法のひとつである randomized response に関する論文を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
外れ値に関する理論的な研究のための文献整理が依然として遅れ気味であること、研究の題材をJGSSから社会生活基本調査に切り替えたことなどから、当初の計画から全体として遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度(平成31年度)も定期的に経済統計研究会を開催する。研究会記録を冊子体としてまとめて、会員に配布する。 論文の投稿や学会報告によって研究成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
経済統計研究会の講師のうち、講師謝金の受け取りを辞退なさるかたがおられたため。2019年度には、経済統計研究会の配布資料印刷費等で利用する予定である。
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