研究課題/領域番号 |
17K03666
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研究機関 | 情報セキュリティ大学院大学 |
研究代表者 |
廣松 毅 情報セキュリティ大学院大学, その他の研究科, 教授 (80012491)
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研究分担者 |
乾 友彦 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (10328669)
藤澤 美恵子 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (10502320)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 2008年版SNA / 持ち家住宅 / 帰属家賃 / 生活の質 / 住宅・土地統計調査 |
研究実績の概要 |
生活の質を考慮した持ち家の帰属家賃の推計に関する現状の分析、改善方法の検討を行うとともに、総務省統計局の住宅・土地統計調査のデータの目的外利用の申請を行った。 具体的に、現状のSNA推計方法のうちの帰属家賃の推計方法について吟味を行い、持ち家住宅の分類区分、公的統計からのデータやそれを用いた推計方法の限界を確認する作業を進めながら、利用可能なデータの収取方法や加工方法の検討を行った。その検討結果を踏まえて、まず上記調査のデータに関して目的外利用の申請を行った。 また、現在の地区別・構造別・建築年別ごとに分類の設定については、住宅の質を反映させた小分類化することが可能かどうかの検討も行った。例えば、建築年によって住宅の耐震性能が判明し、断熱性能も推計できることから、これら住宅の質データを活用して実体を反映できるか区分の可能性の検討を行っている。 国際的には、生活の質を考慮したモデルとしてCost-Weighted Output Index(CWOI)モデルが広く用いられているため、日本への適用可能性についての理論的な検討も行っている。来年度以降は、CWOIに関する理論的な検討と同時に実際のデータを用いた実証分析との整合性も視野にいれて検討する予定である。 これまでの結果の一部は日本地域学会誌『地域学研究』への論文投稿、また第36回エネルギー・資源学会研究発表会における論文発表の形で公表を行っている。これらに関するコメントを参考にしながら、本研究の目的である生活の質を考慮した持ち家の帰属家賃の推計作業の第一歩を進めつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2008年版SNAにおける持ち家の帰属家賃の推計方法に関して吟味するとともに、生活の質を反映すると考えられる住宅の質に関するデータについても検討を行っている。また、総務省統計局の住宅・土地統計調査のデータの目的外利用の申請を行い、そのデータクリーニングを行っている。今後、予備的な分析を行いながら、生活の質を考慮した帰属家賃の推計方法について検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、行っている総務省統計局の住宅・土地統計調査のデータのクリーニング後のデータを用いた予備的分析の結果を踏まえて、本格的な分析に着手する。それと同時に、1971年・1981年・2000年と耐震基準が改正されていることから、それらを定性的なデータとして求め、その補正をして小分類を多様化する検討を進める。また、断熱性能に関しても、断熱の基準改正年を参考に現状の一般社団法人住宅性能評価・表示協会のデータから基準の割合を推計し、同様に小分類を多様化することを検討する。 上記の定量的な分析と定性的な分析を合わせて、持ち家の生活の質を考慮した帰属家賃の推計作業に入る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の一人が体調を崩し、年度の前半に十分に研究活動行えなかったため。また、総務省住宅・土地統計調査のデータに関しては、秘密の保護の関係から研究代表者と分担者のみしか扱えないため、今年度はアルバイト等の謝金は支出していない。来年度以降、予備的な分析の結果の整理等についてはアルバイト等を使う予定である。
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