研究実績の概要 |
研究を始めた時には、Miyahara (2010,2014)における効用関数が指数関数の場合の効用無差別価値理論を評価するために、問題としている確率変数にnormal mixture distributionを想定した。その結果が、効用無差別価値を評価したHodoshima et al. (2018)となり、また効用無差別価値から得られる指標であるIRRAを評価したHodoshima (2019)となった。Hodoshima (2019)では、normal mixture distributionを用いてIRRAの特性を明らかにすることが出来た。その後、Miyahara (2014)が提案したIRRAは、世界トップクラスの研究として知られるAumann and Serrano (2008)が提案したrisk measure から得られるperformance measureと同値であることが分かり、本研究の意義を高めることが出来た。 その後、これらの研究方法を、別な金融商品の評価に応用したHodoshima and Otsuki (2019)やHodoshima et al. (2019), Hodoshima (2020)などの研究成果が得られた。また、効用無差別価値とその指標であるIRRAの動学的な特性や動学的なIRRAの計算とその応用を行ったHodoshima and Yamawake (2018, 2020a, 2020b)などの研究成果を得ることが出来た。 また、Miyahara (2010, 2014)などの従来からの研究では、対象がrisk-averseな投資家に限定されてきたが、Hodoshima and Miyahara (2020)では、対象をrisk lovingな投資家に拡張出来ることを示した。 3年間の研究期間では完結しなかったが、その後IRRAやAumann and Serrano (2008)のperformance measureを得る際のアルゴリズムに関する研究や、データにtemporal aggregationがある場合の特性などの研究を行っていく予定である。
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