研究課題
本研究年度では,「位置情報付き世帯情報」の有効性の検証をおこなった.具体的には,本研究課題で合成した日本全国の合成人口を,広く研究者に活用してもらうためのデータベースを公開し,合成人口の利活用を促進した.その結果,北海道大学,岩手県立大学,筑波大学,芝浦工業大学,聖路加国際病院,青山学院大学,早稲田大学,国立保健医療科学院,東京工業大学,静岡大学,愛知学院大学,愛知工業大学,関西大学,兵庫県立大学,鳥取大学の研究者からの利用希望を得ることができ,合成人口を用いた研究を拡大することができた.また,本研究の土台となる2017年の論文に計測自動制御学会2019年度論文賞が,発展して実施した合成人口手法に関する研究発表に2019年度計測自動制御学会SSI優秀発表賞が授与された.応用研究事例として,後藤(岩手県立大学)は,震災復興時の被災者自身への経済支援としてキャッシュフォーワーク(CFW)に関して合成人口を用いたシミュレーションを実施した.具体的には,岩手県大船渡市,陸前高田市,住田町,釜石市,大槌町の合成人口を利用して,CFWにより適切なスキルを習得することにより,失業者数を低下できることを示した.また,李(静岡大学)は,合成人口データに,加齢,死亡,進学・就職,結婚,出生,転居イベントなどのライフイベントを適用することにより,都市計画を行うための人口動態を推計するシミュレーションを実施した.静岡県掛川市を対象に提案されたライフイベントを適用することにより,適切な人口動態が推計可能であることを示した.さらに,冨田(国立保健医療科学院)と出口(東京工業大学)は,静岡県浜松市を対象に,合成人口により提供される個々の世帯構成員の属性に加えて,厚生労働統計を用いて,疾病情報などの属性情報を追加することにより,地域ごとの避難所のキャパシティなどの資源需要の推計を行なっている.
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)
計測自動制御学会第22回社会システム部会研究会資料
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SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration
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Proc. of the 33rd Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence 2019 (Niigata, Japan, June 4-7, 2019)
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Proc. of International Conference on Machine Learning and Cybrernetics: ICMLC 2019 (Kobe, Japan, July 7-10, 2019)
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第35回ファジィ システムシンポジウム論文集(大阪,8月29-31日,2019)
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計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会論文集(千葉大学, 11月23-25日,2019年)
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http://www.res.kutc.kansai-u.ac.jp/~murata/rsss-distribution/