本研究では合理的な選好を有する個人の集合体としての家族に注目した。そして家族の意思決定(家族の合意としてなされる家族内の分配メカニズム)をミクロ的基礎とした新しいマクロ経済学モデルを構築した。家族内の分配メカニズムは、社会的慣習・夫婦の賃金比率によって決定される家族内における夫婦のバーゲニングパワーによって決定されるとするとき、家計内におけるバーゲニングパワーの変化が、どのように女性の労働参加・経済成長率そして社会厚生に影響を与えるかを明らかにした。そして社会厚生を高める政策の効果について検討した。
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