研究課題
基盤研究(C)
デジタル化の進展に伴って、複数の財・サービスをまとめて販売したり、あるいは一部の財を無料にしたりするマーケティング手法が多くみられている。本研究では、モバイル市場や電力市場に焦点を当てて、こうしたバンドリングという商慣行が与える市場競争と社会厚生に与える影響を分析した。例えばモバイル市場では、通信プラントと端末を分離販売することの競争促進が必ずしも社会厚生増につながるわけではないことが明らかになった。
産業組織論
バンドリングは原則的には競争促進的と考えられるものの、態様によっては排除行為などの反競争的な行為と捉えられることもある。とりわけ通信モバイル市場においては、通信プランと携帯端末とのセット販売や拘束条件付き契約等、様々なバンドリング手法が駆使されてきた。こうした行為が消費者の囲い込みにどの程度繋がっているのか、市場競争や社会厚生に与える効果はどれほどかについての基礎的研究は、国民に身近なモバイル通信に対する政策の在り方を考える上でも欠かせない。