令和元年度には、イノベーションの効率性問題の探求の計量的検証、研究のとりまとめが行われた。より具体的には以下のような成果が得られた。 1)これまでの成果を受けて、イノベーションへのインプットがアウトプットを効率的に生み出す条件についての作業仮説に修正を加え、その上でイノベーション投資(インプット)-イノベーションのアウトプットの効率性の決定要因に関する計量分析を行った。この段階での計量分析のために、中国知識産権総局がコンパイルした個別特許ミクロデータを導入し、整備を行った。そのデータをこれまでに整備してきた企業データとマッチさせた連結データを作成し、イノベーション生産関数を拡張した改良版の実証モデルとしては使用した計量分析を行うことにより、イノベーションの インプットをアウトプットに結実させるまでのシークエンスの中で、物理的(有形)固定資産、労働者訓練などの人的資本への追加 投資、R&D投資・無形資産投資の追加投資を事後的に行うことがどのような効果を持つかを明らかにした。 2)研究完成年度における、情報補完の意味合いの大きい比較的期間の短い現地調査も同時に行った。 3)研究全体の結果を取りまとめ、最終的に論文としてまとめた。国内外の学会・研究会における成果報告も活発に行った。
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