発展途上国の開発金融に関する実証研究の多くは、国内金融仲介機能の発展、もしくは国際資本流入の拡大にそれぞれ焦点を当て、金融の国内経済に対する影響を分析している。本研究は、国内金融と国際金融を融合した枠組みの下、貧困層に対する金融サービスの普及を示す「金融包摂」と、主要な外国資本フローに成長している出稼ぎ労働者からの「国際送金」が途上国の貧困緩和に対してどのような関連性を持って影響しているかについて分析を行った。分析の結果、金融包摂と国際送金は統計的に有意な関係性を持って貧困状況に影響していること、そして関係性は金融包摂をどのように捉えるかによって変化することが明らかになった。
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