2つの大国間の観察不可能な非関税障壁に関する国際協調の問題を不完全公的観測の繰り返しゲームを用いて分析した。2国2財モデルにおいては、相手国の貿易障壁に関する情報を含む公的シグナルとして交易条件(相対価格)が利用できる。ある国の協調からの逸脱は自国の交易条件を改善する一方で、相手国の交易条件を改悪する。つまり、2国のそれぞれの単独の逸脱は、交易条件の分布を反対方向に動かす。この性質を利用した非対称戦略であるセーフガード戦略を設計し、その戦略が均衡になる条件などを考察した。 また、非対称性戦略による国際協調の応用研究として、環境協定に関する派生研究も行った。
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