研究課題
基盤研究(C)
本研究は、2008-9年のグローバル金融危機発生以降、新興市場国が実施した「裁量的財政政策」と「非伝統的金融政策」の政策効果を定量的に検証することを目指した。「非伝統的金融政策」の一つとして外国為替介入を内生的に組み込んだ研究からは、分析対象国が変動相場制を採択している一方、実質的には強い為替管理の性格を持つ政策スタンスが明らかとなった。一方で、「裁量的財政政策」の効果検証において実証分析結果の頑健性は担保できなかった。
国際マクロ経済学
金融危機発生後のマクロ経済構造について、外国為替介入を導入することでモデル化できたことは同分野における貢献と言える。しかしながら、財政政策を分析モデルに組み込む際の定式化は既存研究では頑健性が担保できないことも明確となった。また、今後の主に財政政策の出口戦略について、当該サンプルのデータを入手できるタイミングでの再検証が望ましいため、今後の課題として研究継続を行うべきと考えられる。