研究課題/領域番号 |
17K03699
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
張 艶 明治学院大学, 国際学部, 教授 (20367030)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中国株価 / マクロ経済 / 金融政策 / 株価連関 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、整合性のあるマクロ・データベースを構築した上で、中国の株価とマクロ経済の関係について分析し、金融政策が株価に影響を及ぼす伝播経路を明らかにし、さらに、グローバル化時代における中国と外国との株式市場間の連動性を考察することである。世界金融危機が中国のマクロ経済に及ぼした影響も探り、株式市場の構造変化の可能性を検証する。 本年度に科研費の使用はなかった。いままで中国株価、マクロ経済と金融政策に関するデータベースを構築し、構築されたデータベースを利用し、中国株価のマクロ経済・金融政策との関係及び国際株式市場との連関に関する実証研究を行った。具体的には、以下のとおりである。 まず、1990年からの株式市場の関連データ、金融変数、マクロ経済変数、具体的には、株価指数、上場銘柄数、株式時価総額、M0、M1、M2、1年物の預金金利と貸出金利、コールレート、公定歩合、消費、投資、政府支出、純輸出(輸出-輸入)、物価などの年次・四半期・月次・日次(株価指数のみ)データなどを収集し、データベースを構築した。 そして、構築されたデータベースを利用し、マクロ経済変数、株価と金融変数間のグレンジャー因果性テスト、VAR 分析などを行い、マクロ経済の構造変化を検証した。中国の株価変動の原因を明らかにし、株価変動に対する実体経済と金融政策の効果を分析した。また、中国のマクロ経済と金融についてさらに考察するため、中国の金融成長と経済発展についても分析した。分析結果に基づき、中国のマクロ経済と株式市場の関係について総合的に分析し、有効な金融政策を考察した。さらに、グローバル化した中国経済の側面を考察するため、EGARCHモデルを利用し、中国の株式市場と世界主要市場の連動性を考察し、金融危機が中国の株式市場、世界株価の連関に与える影響について分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本来、本研究課題は2017年度~2020年度の予定であり、最終年度の2020年度まではデータベースの構築、実証分析、研究成果の発表などがほぼ予定通り進み、研究をおおむね完成させたといえる。ただし、2020年度、新型コロナの影響により、分析結果をフィードバックするための海外調査が予定通り行えなかったため、本研究課題を本年度に延長した。本年度も同じ状況が続いているため、科研費を使用せず、さらに来年度に延長した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナの影響により、海外調査が2年以上行えなかったため、今後可能であれば、中国に現地調査に赴き、分析結果のフィードバックをする。もしできない場合は、オンライン、メールなどにより、研究結果について国内外の研究者・専門家・実務家から意見やコメントをいただく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により、予定していた海外調査を行うことはできなかった。今後、中国で現地調査を行い、分析結果のフィードバックをする予定である。
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