研究課題/領域番号 |
17K03703
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
松村 敦子 東京国際大学, 経済学部, 教授 (60209608)
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研究分担者 |
筑井 麻紀子 東京国際大学, 商学部, 教授 (40275798)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 貿易と環境 / 地域内貿易拡大効果 / 関税率効果 / 世界貿易機関 / アジア太平洋経済協力 / 産業連関分析 |
研究実績の概要 |
本研究「アジア太平洋地域の環境物品の貿易自由化による貿易拡大効果と環境改善効果の実証分析」においては、環境物品(Environmental Goods)の貿易拡大に関する研究を続けており、最終的に、"Gravity Analysis of trade for environmental goods focusing on bilateral tariff rates and regional integration" が、Asia-Pacific Journal of Regional Science, June 2021 にアクセプトされて正式に掲載された。 環境物品はいくつかのカテゴリー別に分類されており、本研究では特に再生可能エネルギー関連財、環境測定機器といったカテゴリーに分類される財に焦点を当てて、個別財ごとに分析を行うことにより、環境改善効果を伴う貿易拡大効果に関して財別の特徴を明らかにすることができた。 分析対象として取り上げた国(地域)の数は合計で73であり、2013年から2016年までのパネルデータを用いたグラヴィティモデルに基づく分析を行い、貿易拡大に対する関税率効果、地域的貿易効果、共通言語効果に着目して興味深い結論を導き出すことができた。さらに物品別・国別の地域内産業内貿易指数を計測することにより、APEC、EU、ASEAN+3といった地域における産業内貿易の特徴について詳細な事実を明らかにすることができた。 さらに今後の研究の発展に向けて、「産業連関表を用いた貿易拡大による環境効果」に関する分析の実施に向けて、分析手法研究のための文献収集とそれに基づくモデル構築に関する研究を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
世界貿易機関において重視されている「貿易と環境」という重要テーマにおいて、環境改善を伴う「環境物品貿易」の拡大効果をもたらす要因に関して分析を完成させ、論文にまとめることができた。 さらに産業連関表を用いた「貿易拡大による環境改善効果分析」実施に向けての準備を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
貿易拡大がもたらす環境保護効果については、二酸化炭素排出等の環境情報を含む多地域間産業連関表を用いる方法が有効であると考える。そのため、先行研究の調査を行うことから始める必要がある。 産業連関分析研究者である筑井麻紀子教授が研究分担者となっており、産業連関分析において課題等が生じた場合には研究分担者との連携による解決を図っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画における研究目的には貿易拡大効果と環境改善効果があるが、貿易拡大効果の分析が大がかりとなったことに加え新型コロナ禍により研究計画が変更となったため、貿易改善効果分析に関する支出として次年度使用額が生じた。
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