研究実績の概要 |
本研究において、環境物品の貿易拡大に関する研究として、研究期間全体を通じて2つの研究成果を発表した。ひとつは、2019年度の研究成果として発表した"The Effects of Tariffs and Regions on Bilateral Trade for Environmental Goods: Cases for Some Renewable Energy Goods," 日本貿易学会誌 2019年3月、もうひとつは、2020年度、2021年度の研究成果として発表した"Gravity analysis of trade for environmental goods focusing on bilateral tariff rates and regional integration," Aia-Pacific Journal of Regional Science 2021.である。そこでは、環境物品貿易に関してアジア太平洋地域の関税引き下げ効果による貿易拡大への影響について明らかにした。 さらに、2022年度には、アジア太平洋地域に加え世界の様々な地域における環境改善効果や環境政策の効果についての分析手法・分析モデルについて広く調査し、特に国際産業連関分析を用いた場合にいかなる環境効果が生じ、どのような問題が生じるのか、さらにそうした問題に対処するため環境政策をどのように採用すべきかについて、詳細な展望研究を実施した。貿易による温室効果ガス排出への効果として、二酸化炭素排出の研究に焦点を当てて、その研究成果を論文にまとめ、「貿易と環境ー貿易に体化された二酸化炭素排出に関する実証研究展望ー」東京国際大学論叢・経済学研究第7号、2023年3月として発表した。この研究は、今後に行う「アジア太平洋地域の貿易における二酸化炭素排出分析」の土台として大きな重要性をもつ。
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