本研究は不鮮明な進路・目的意識のままキャリアを選択する若年層に着目し、「とりあえず」志向の観点から曖昧なキャリア選択状況が生じる背景要因について実証した。その結果、はっきりと意思を明示しないことの就業意識に対する両義的な有意性が認められた。 とりわけ、自信を喪失し,未成熟なキャリア意識のまま「とりあえず」で非正規職・無業であり続けることが問題を深刻化する点を確認した。したがって、効果的キャリアカウンセリングや早期就労支援策の有効性という観点から,躓きのタイミングの検討や時機を逸しない支援体制の強化が示唆された。
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