本研究課題においては、サプライチェーンの深化が国際貿易及び経済に及ぼした影響につき、主に以下の点において分析・検証を実施した。第一に伝統的な貿易理論であるヘクシャー=オリーン理論の妥当性を付加価値貿易を用いて検証、第二にサプライチェーンの進展によるスマイルカーブ現象(単純な製造工程など付加価値の低い工程が海外にオフショアリングされる一方で製品デザインやマーケティングなど付加価値の高い工程は引き続き先進国において実施される状況)の検証、第三にサプライチェーンの深化を考慮に入れた貿易による厚生向上効果分析、多国籍企業の活動がホスト国の第三国に対する貿易政策に与える影響についての検証。
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