為替レートと実体経済が緊密な関係を持っているのかという問題について、特に将来為替レート予測という観点から周波数領域での回帰分析であるバンドスぺクトラル回帰を用いて、特定の周期あるいは期間における為替レートと実体経済の関係を探った。バンドスぺクトラル回帰を用いた場合には、特にビジネスサイクル周波数帯といわれる周波数帯が予測においては非常に重要であること、そして6か月以上先の予測においては、実体経済の変数を多く取り込んだテイラールールを考慮したモデルよりも、購買力平価に基づくモデルが、ベンチマークモデルであるランダムウォークモデルよりも将来為替レートの予測精度が統計的に有意に高いことが分かった。
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