研究課題/領域番号 |
17K03717
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
咲川 可央子 青山学院大学, 地球社会共生学部, 准教授 (60634350)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 付加価値貿易 / メキシコ / グローバル・バリュー・チェーン / 国際産業連関表 |
研究実績の概要 |
令和元年度は、「グローバル・バリュー・チェーンにおけるメキシコの役割:付加価値貿易分析」をテーマに、平成30年度に引き続き「付加価値貿易についての既存研究のサーベイ」「データの整備」を拡張した上で、「国内の専門家との意見交換」を行った。 「付加価値貿易についての既存研究のサーベイ」については、猪俣(2019)「グローバル・バリュー・チェーン-新・南北問題へのまなざし」日本経済新聞出版社が出版され、グローバル・バリュー・チェーンや付加価値貿易についての詳細及び総括的な知識を得ることができた。また、Johnson(2014)を再読し、Johnsonの下記の見解を基にメキシコについて分析した。1. 世界の付加価値貿易輸出額は、取引額で測った輸出額の70-75%である。国際的な生産分業体制が深化し、1970年代、1980年代の85%から大きく低下している。2. 輸出取引額に対する付加価値輸出額の比率は、国によって50%から90%とばらつきがある。製造業シェアが高い国ほど付加価値輸出比率は低くなる傾向がある。3. 2国間の輸出取引額と付加価値輸出額の乖離は、貿易相手国によって異なる。4. 輸出取引額に対する付加価値輸出額の比率の変化は、国によって異なる。 この4つの見解を踏まえ、 1.メキシコの付加価値貿易輸出額の比率はどの程度か?また、どう変化しているのか?2.メキシコの対米国輸出ではどの程度乖離しているのか?また、どう変化しているのか?対米2国間貿易収支は付加価値ベースだとどうなるか?についてTiVAのデータを整理することによって分析した。 この分析を研究会で発表し、専門家達から有意義な意見をもらった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究はやや遅れている。研究代表者の大学の異動と体調不良が原因である。しかし、「国内の専門家との意見交換」については研究会でするどい指摘を受け、大きな進展があった。
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今後の研究の推進方策 |
令和二年度は、引き続き、地道かつ膨大な「データ整備」を行い、正確な「計量分析」へとつなげる予定である。「現地調査」については、コロナウイルスの状況次第であるが、計画していきたい。「国内の専門家との意見交換」「既存研究のサーベイ」は随時行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和二年度は、コロナウイルスの状況次第であるが、海外出張も行う計画であり、それなりの金額が必要になることが予想される。そうした金額を補うためには、この程度の金額は必要となるため、使用計画に問題は生じないと考えられる。
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