本研究は、国際貿易と観光に関わる理論研究を発展させることを目的とし、以下のような研究成果を得た。(1)観光財市場の供給側が公企業と私企業から成る混合寡占市場モデルを用いて、観光ブームの厚生効果と最適な観光税率を特徴付けた。(2)部分民営化された公企業が存在する混合寡占市場モデルを用いて最適な観光税の水準を特徴付け、外国観光客数、公企業の民営化、新規参入私企業との関係を明らかにした。(3)完全競争の一般均衡モデルの枠組みで、労働所得税が事前に存在する経済における税収一定での観光税の租税改革が一国の経済厚生に与える影響について考察し、次善の最適下での観光税の水準を特徴付けた。
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