研究課題/領域番号 |
17K03740
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
新井 圭太 近畿大学, 経済学部, 准教授 (60336485)
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研究分担者 |
山口 弘純 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (80314409) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 公共交通 / セミデマンド / 産官学連携プロジェクト |
研究実績の概要 |
兵庫県豊岡市と交通事業者および近畿大学(新井研究室)との産官学連携プロジェクトにより、豊岡市竹野地区、資母地区および出石地区の2ヶ所におけるセミデマンド交通の検討および社会調査を実施した。 まず竹野地区においては、既に2018年度および2019年度の2回にわたって実証実験を行い、2020年度は本格運行をスタートさせた。2020年度の調査として、夏季の臨時バスとして投入したコミュニティバスの需要に関する交通調査を行った。調査の結果から、地域住民の利用率が(以前の旧バスサービスと比較して)上昇したこと、およびフルデマンドへの希望が依然として高いことの2点が認められた。 第2の資母地区においては、2019年度の実証実験結果の検証のため、地域住民へのヒアリング調査を実施し、研究レビューを行った。本来ならば現地入りしての個別ヒアリングを重ねる予定であったが、コロナ感染の影響で延期となり、代替手段としてドライバーへの電話ヒアリングにとどまった。 第3の出石地区においては、域内の2ヶ所の駐車場から観光地までの移動手段として、セミデマンド交通投入の検討を行政と共同で実施した。具体的には当該観光地エリアで事業を行う全事業者を対象に、交通モードの需要調査アンケート調査を実施した(既に回収済み・データセットも作成済み)。 これら同時進行で実施している3つの調査プロジェクトについて、2020年度はコロナ禍の影響から当初予定に対し大幅な遅れが生じた。本プロジェクトはすべて現地で行うフィールド調査が軸となることから、3つの調査をそれぞれ、次年度(2021年度)に再度継続することとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述した3地域における社会実証実験の検証作業として、(1)現地入りしてのヒアリング調査、(2)地域住民への全戸配布の大型アンケート調査、および(3)外部から訪れる観光訪問客に対する交通利用調査の3つを2020年度に予定していた。しかしコロナ感染の影響に伴う緊急事態宣言等による出張自粛により、上記3つは2021年度に継続せざるを得ない状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)現地入りしてのヒアリング調査について 2021年度の実施を計画している。ただし、コロナ禍はまだ収束しておらず、実行可能性は低く見積もらざるを得ない。結果として(1)は電話およびメール等による代替手段へ変更する予定である。 (2)地域住民への全戸配布の大型アンケート調査について こちらは既に市役所と協力して2021年度5月中に配布予定となっている。実現可能性に問題はないと判断している。 (3)外部から訪れる観光訪問客に対する交通利用調査について コロナ禍のもとで、調査対象である観光地を訪れる来訪客がどの程度存在するのかが、現時点では予測不能な状態のため、この(3)についてはあきらめざるを得ない可能性が高くなりつつある。ただし感染状況の改善が見られれば、当然ながら実施は可能となるため、実施方法を工夫しながら模索を続けることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、現地調査(フィールドワーク)および学会等への出張が不可となった。特に当初予定していた海外での事例調査がすべてキャンセルとなり、このことから次年度使用額が発生することとなった。
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