研究課題
本研究の目的は、医療・介護・健康・福祉面での地域課題を、ICT(情報通信技術)を活用して解決し、健康で活力にあふれるウェルネス地域社会を構築するための政策的基盤を確立することにある。本年度では、オンライン診療に焦点を当て、その効果や普及に向けた政策を検討した。オンライン診療は、PCやスマホを用いて在宅の高齢者や患者と医療機関を結び、リアルタイムでも患者をモニターし、治療するものである。在宅の糖尿病や高血圧症等の生活習慣病患者をモニタリングすることにより、重症化を防止することができる。その進展を加速させたのが、2020年の新型コロナウィルスである。院内での感染を防止するために、患者を自宅で診断するオンライン診療に大きな期待が寄せられ、かつ実際に活用されている。各国では、新型コロナウィルス感染の期間中という限定が付いているもののオンライン診療にかけられていた規制緩和は大きく緩和されている。さらにオンライン診察にAIを活用した各国の先進事例を検討し、これらがどう医療の効率化、患者の利便性の向上を図っているかを分析した。オンライン診療とAIを組み合わせた診断は、「AIドクター」と呼ばれ、英国や中国で大きく進展している。このシステムでは、患者はスマホからアプリを通じてアクセスし、AIチャットボットと会話しつつ、症状を伝える。その会話を通じてAIは、病名を判断し、さらに医者にかかるか、あるいは薬のみでよいか判断するのである。前者の場合は医者を紹介し、後者の場合は購入する薬品を伝える。つまり、AIドクターは、不必要な診療を防止することにより医療費を削減している。現在、日本ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の議論が本格化している。AI、ビッグデータ、IoTなどのITを基礎とするイノベーションが次々と生まれている。医療分野でもこのようなイノベーションが創出される体制を検討した。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 10件、 招待講演 2件)
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