学術的意義は,公的サービスの供給のありかたに関する理論分析を発展させた点と,既存研究の水平的な財政競争のモデルの発展を試みた点の2つがあげられる。これらを今後統一することで,水平的な競争環境下で公的サービスをどのように供給すればよいか,またその際に外部性が存在するときにはどのように調整が必要となるか等を明らかにすることができる。 このような学術的意義は,現実の経済に応用する,特に教育システムを構築する上で活かされる。教育という社会に広く外部性を有する公的サービスを,地域間の競争が潜在的に存在する際に国としてどのようなシステムにすべきかを考えることができるところに,社会的意義が認められる。
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