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2018 年度 実施状況報告書

政治学と経済学の協働に資する政治経済学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K03769
研究機関高知工科大学

研究代表者

肥前 洋一  高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (10344459)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード政治経済学 / 実験経済学 / 実験政治学 / 投票
研究実績の概要

本年度は、論文"Monetary Costs versus Opportunity Costs in a Voting Experiment"を国際学会で2回、国内学会で2回、研究会で1回発表し、いただいたコメントをもとに改訂を進めた。現在は、実験データを統計分析して得られた結論の頑強性を確認するために、実験結果をもとにして疑似的データを発生させてそれを統計分析し、実験データを用いた統計分析と同様の結論が得られるかを検証している。この作業が終わり次第、論文を完成させて学術誌へ投稿する予定である。
また、この実験で用いたタスクを含むさまざまなリアル・エフォート・タスクをサーベイし、国内学会と研究会(いずれも招待)で報告した。努力を引き出すインセンティブの付与の仕方を検討する実験室実験において、従来は「努力の水準X(数字)を選ぶなら努力の費用Y(数字)がかかる」として、XとYのペアを複数用意してその中から1つを実験参加者に選択してもらうというデザインをしていた。しかし、近年は、実験室で実験参加者に実際の努力(リアル・エフォート)を伴う作業(タスク)をしてもらうというデザインの実験が増えてきている。先行研究でどのようなタスクが開発され実験で用いられているか、努力の水準の測りやすさという観点からどのタスクに利があるかなどを紹介した。
さらに、高知工科大学で実験参加者156名を集めて、投票のルールに応じて持続可能な選択肢への投票が増えるかを検証する実験室実験を実施した。通常の1人1票の投票に比べると、1人2票の投票(うち1票は将来世代の代理の票として与えられる)やいわゆるドメイン投票(有権者の一部にだけ2票与えられる)では持続可能な選択肢への投票が増えることが観察された。後者2つのルール間で結果に差がなかったことは、有権者の一部にだけ追加の票を与えることの意義の再検討につながる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、学術誌に投稿し審査中の論文が1本、統計分析から得られた結論の頑強性が確認されたら投稿する予定の論文が1本、データ分析を終えてイントロダクションを執筆中の論文が1本あり、いずれも出版に近づきつつあるため。

今後の研究の推進方策

「現在までの進捗状況」に記した3本のうちの後者2本を完成させて、学術誌に投稿する。さらに、現在の実験デザインの改善策を見出したので、その新たなデザインでの実験も実施したい。

次年度使用額が生じた理由

統計分析から得られた結論の頑強性を確認するため、実験結果をもとにして疑似的データを発生させて、実験データと同様の解析をして同様の結論が得られるかを計算することにした。その成果を論文に反映させるため、英文校正を次年度に持ち越すこととした。また、すでに実施した実験の方法を改善するデザインを見出したため、新たなデザインでの実験を追加実施するための費用を次年度に回した。

備考

Yoichi Hizen "Real Effort Experiments in Economics" Waseda Game Theory & Experimental Economics Workshop 2019年
肥前洋一「Monetary Costs versus Opportunity Costs in a Voting Experiment」ポリシーモデリングコンファレンス 2018年

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] リアル・エフォート実験2018

    • 著者名/発表者名
      肥前 洋一
    • 学会等名
      行動経済学会第12回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Monetary Costs versus Opportunity Costs in a Voting Experiment2018

    • 著者名/発表者名
      肥前 洋一
    • 学会等名
      公共選択学会第22回全国大会

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公開日: 2019-12-27  

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