マクロ計量経済学手法を応用することで、(1)伝統的金融政策(2)量的・質的緩和政策(3)期待管理政策の有効性について定量的に評価を行った。また、それぞれの分析手法の開発も行った。実証分析結果は次の通りである。(1)日銀が短期金利操作を通じて貨幣市場環境を長期にわたって規律付けできており、伝統的金融政策は1980年代以降の金融市場やマクロ経済に定量的に有意な影響を及ぼしていたことが統計的に支持された。(2)低金利下において、質的緩和や短期金利低下は景気刺激効果が期待できる一方、量的緩和に関しては限定的である。(3)期待管理政策の有効性は、将来の長期経済見通しの変化を伴うか否かによって異なる。
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