2015年に施行されたCGコードは2名以上の社外取締役の設置を求め、ほとんどの企業がこれに従い、社外取締役が大幅に増加した。社外取締役には経営者に対するモニタリングを通じてガバナンス向上に貢献することが期待されているが、社外取締役には十分なインセンティブが付与されていないともされている。そこで本研究は増加した社外取締役に十分なインセンティブがあり、企業行動や業績に影響を与えているのかを実証的に検証した。コードに伴い増加した社外取締役が業績を有意に向上させているという傾向はみられなかった。一方で、政策保有株の売却などに対しては影響を与えており、社外取締役はガバナンス改善に貢献していた。
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