研究課題/領域番号 |
17K03816
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
宮越 龍義 法政大学, 理工学部, 教授 (60166139)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 金融センター / リスク検疫 / 金融支援 / シミレーション |
研究実績の概要 |
2020年度の研究計画に従い(i)2019年度の不備を訂正して改良した。 (ii) Cornes&Hartley(2007,JPET)やMiyakoshi (2014,2016, Applied Econ.)の集計ゲームタイプの公共財理論を使って、どの国が金融センターに金融公共財を提供してネットワークを維持すべきかを明らかにした。すなわち各国のdropout-valueを推定し、その上位数カ国が金融公共財の提供国となることが判明した。従って、これらの国で金融公共財配置の国際会議が開かれ適切な国に適切な公共財が配置されるべき事を提案した。(iii) 国際金融公共財の配置により、各国のリスクがある値に低下した時、ネットワーク全体の破綻確率がどの程度低下するかをシミレーションした。その結果、金融公共財の配置が政策手段となりうる ことを解明するとともにどのような国に配置すべきかを特定化した。(iv)実証編で金融センターをも考慮して推定されたネットワークにおいて、各金融センターで具体的にアジアのどの国の線(連結性)を遮断すると最も破綻確率が下がるのかを比較して、その国の線の遮断が金融センターにおける政策手段となりうることを明らかにし、さらに、他国よりも金融センター国での遮断が最も効率的であることを証明した。(v)これらの改善された研究成果を論文として取りまとめた。2020年3月までコロナ禍で中止となっていたWEAI学会は、2020年6月Virtual 95th Annual Conferenceとして開催され、そこで、上記(ii)-(iv)の成果を報告した。同時に、それらの3つの成果は、現在、3本の雑誌に投稿中であるが、なかなか採択されないのが現状であり、改訂後に別な雑誌に投稿するという繰り返しになっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、金融センターでのリスク検疫と金融支援が最も効率よく金融危機を終息させるという論文、アジアの金融センターはどこの国かを識別するという論文、2公共財モデルの構築という3つの論文を報告する国際学会を探していたが、1つ以外はキャンセルとなり、論文改訂を十分に行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は今年度の経験を踏まえて、コロナ終息が期待される年度末すなわち2022年1月ころの国際学会またはVirtual Conferenceでの報告を行う予定である。同時に、雑誌に何度となく投稿することで、Refereeからのコメントをもとに、論文を改訂する予定である。ただし、コロナ禍でのReferee Reportはとても十分なものではなく、Virtual Conferenceによる議論は、マイクの感度もさまざまであり聞き取ることも困難な場合が多い。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文発表すべき学会が世界的なコロナウィルスの流行により中止されたことで、学会報告費・渡航費・論文投稿料・英文校閲費などが支出されなかったためである。これらの費用を2021年度に行われる国際学会・国内学会に関する費用に充てる予定である。
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