研究実績の概要 |
本研究は、(i)多くの線が集まる点としてのセンターを金融破綻連鎖モデルに組込み金融センターの理論を解明し、(ii)DCC-GARCHモデルを使って、線としての金融市場の連結性を動学的に推定し、(iii)線の多く集まるセンターを特定化することで、センターの存在・変遷がネットワークリスクを如何に変化させたかの金融センターの実証研究をし、(iv)どの国がセンターに金融公共財を提供してネットワークを維持・管理するかという金融センターの政策を研究した。(i)についてはアジア経済シンポジウム(2022,3.1)で理論的解明をし、(ii)についてはInternational Review of Economics and Finance (2017)とHandbook of Financial Econometrics, Mathematics, Statistics, and Machine Learning, In 4 Volumes (2020)でDCC-GARCHモデルがアジアの金融商品の挙動をうまく説明することを実証し、(iii)についてはInternational Review of Economics and Finance (2020)とJapan and the World Economy(2021)でそれらのモデルを使い、アジアの金融センターがシンガポールと香港であることを解明し、そして、(iv)についてはNorth American Journal of Economics and Finance (2022)でセンター国にリスクの高い金融商品の侵入を防ぐべく、金融格付け会社を設置して、リスク検疫を実行することが、ネットワーク全体にリスクが拡散することを阻止することになる、と結論付けた。
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