本研究は、現代の世界の企業の目的・行動・パフォーマンスが、国ごとにかなり異なっていることを明らかにする。例えば、企業の役割を「株主の利益最大化」と考える国もあれば、「各ステークホルダーの利益と満足の最大化」と考える国もあり、それに応じて企業のパフォーマンスも異なっている。そして、こうした国ごとの企業の違いは、各国の歴史・社会を反映した制度的な要因(例えば法律や国民性など)によって生じていることも示される。さらに、現代の企業のパフォーマンスを議論する際には、株主利益だけでなく、他のステークホルダーの利益や企業の存続可能性など、複数のパフォーマンス尺度が必要であることを主張する。
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