研究課題/領域番号 |
17K03824
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研究機関 | 名古屋商科大学 |
研究代表者 |
岩澤 誠一郎 名古屋商科大学, 経済学部, 教授 (30635743)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | グローバル金融危機 / 外国人投資家 / 株式の脆弱性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、グローバル金融危機下における外国人投資家の投資行動とその日本の株価へのインパクトを分析することで、これまで学術的には明確に認識されてこなかった、外国人投資家が保有比率を高めていることに伴い生じている、日本の株式のリスク要因を明らかにすることである。今後グローバル金融危機が勃発した際に、大規模な外国人投資家の売り圧力と、結果としての強い短期的な株価下落圧力に晒されやすいのがどのような属性を持った株式であるのかを、2008年度の金融危機の際の経験を踏まえて、外国人投資家の保有構造から明らかにすることが本研究の眼目である。 平成29年度は、本研究の第一段階として、2008年度のグローバル金融危機の時期における外国人投資家の投資行動と、その株価へのインパクトにつき、予備的な調査を行った。調査結果が示すところによれば、2008年度に外国人投資家が持ち株比率を大幅に減らした株式は、短期的な負の超過リターン及びボラティリティの増加を経験している。我々はKim and Iwasawa(2016)において、韓国の株式を対象として上の点を調査したが、その結果と整合的な結果であった。したがって、ここまでの結果は想定通りである。 平成30年度以降は、本研究は第二段階として、グローバル金融危機の時期における外国人投資家の行動を、金融危機以前の外国人投資家の行動によって予測することを目標とする探索を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、本研究の第一段階として、2008年度のグローバル金融危機の時期における外国人投資家の投資行動と、その株価へのインパクトにつき、予備的な調査を行うことを目標としていた。実際には、計画した調査を行い、また調査結果は、Kim and Iwasawa(2016)の結果と整合的な結果であり、当初想定通りのものであった。したがって、ここまでの進捗はおおむね順調であるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでおおむね順調に推移しているので、今後も当初計画に沿った形で研究を進める。平成30年度は、グローバル金融危機の時期における外国人投資家の行動を、金融危機以前の外国人投資家の行動によって予測することを目標とする探索を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費の代替としてデータベースを購入したが、当初計画より安く入手することができた。次年度に物品費の補足として使用する計画である。
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